Nov 12, 2008
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東京電力福島第1原発の爆発事故の応急対策を巡り、自衛隊が東電の対応に不信感を募らせ一時撤退する事態に発展。政府内でも被災地への救援物資輸送で調整不足も露呈、支援活動でもぎくしゃくぶりが目立っている。【西田進一郎、坂口裕彦】
「安全性が担保されていない。慎重に対応すべきだ」。14日夜、北沢俊美防衛相ら防衛省幹部の会議で折木良一統合幕僚長が指摘した。幹部の一人は会議後、「給水活動は危ないのでしばらくできない」と語った。
きっかけは14日に起きた同原発2号機の爆発事故で給水作業中の隊員4人が負傷した事故。東電からは「安全だから」と言われて指示された活動だっただけに、安全性に対する東電などの判断に疑問が噴出した。防衛省は14日夜、現地に派遣した中央特殊武器防護隊150人など計180人を原発近くの政府などの拠点施設オフサイトセンターから60キロ離れた陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)まで退避させた。午後にオフサイトセンター自体が約60キロ離れた福島県庁に移されたが、自衛隊が後退したのはその15時間前だった。
中央特殊武器防護隊は核・生物・化学(NBC)攻撃を受けた際、有害物質を検知し、部隊を安全なところに誘導したり、汚染された隊員を除染するのが主な任務。今回行った民間人の除染は国民保護法に定められた活動だが、原発事故への対応は想定外だった。防衛省関係者は「原発関連のノウハウは防護隊は分からない。安全性や、どの現場に向かうかの判断は東電や原子力安全・保安院に従うしかない」と不満を漏らした。
◇物資輸送は「一元化」
一方、救援物資輸送を巡っては、農水省などが物資を集め、防衛省などが物資を運ぶ計画だった。しかし、調整役の松本龍防災担当相は次々と起きる事態への対応に追われ「救援物資の仕切りはうまくいっていない」(政府関係者)ことが判明。防衛省からは「物資が来ずに困っている」との声が出ていた。
このため、菅直人首相は15日の緊急災害対策本部会議で、救援物資の収集、運搬について「組織力、情報、移動(手段)を持つ自衛隊に中心を担ってもらう」と、防衛省への一元化を指示した。救援物資は都道府県がとりまとめ、自衛隊の駐屯地や基地に持ち込み、自衛隊が被災地の現地対策本部と調整し輸送する。北沢防衛相は15日、「避難箇所への食料・水の供給は態勢が整いつつあり、成果が上がっている」と記者団に強調した。
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政府は15日、東日本大震災に伴う統一地方選の対応について、被災地に限り2?6カ月の延期を可能にする特例法案を提出する方針を固めた。16日に閣議決定する。延期する地域は「震災の影響で選挙を適正に行うことが困難」と総務相が指定する市町村。指定市町村を含む県の知事選と県議選も延期を認める。岩手、宮城、福島各県などを想定しており、選挙期日は法施行日から2?6カ月の範囲内で政令で定める。
片山善博総務相は15日の閣議後会見で「選挙は民主主義社会で政治権力を作り上げる作業で、任期を守るのが鉄則。壊滅的な状態になって物理的に実行できない自治体は特例を設けるが、停電などで民主主義の大原則は覆せない」と延期は被災地に限定すべきだとの考えを示した。
一方、与野党は特例法案の週内成立では合意したが、同日の幹事長・国対委員長会談でも延期を被災地に限るか全国一律にするかの結論は出せず、国会で引き続き議論する。【笈田直樹】
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日米両政府は15日、東日本大震災で使用不能となった仙台空港の早期復旧のため、沖縄の第3海兵機動展開部隊を投入する方針を決めた。海兵隊員は米海軍強襲揚陸艦「エセックス」で17日にも仙台沖に到着。滑走路のがれき除去など空港施設の復旧活動を週内にも始める方向で調整している。復興に米軍普天間飛行場移設問題で揺れる在沖縄米海兵隊が参画することで日米連携をアピールする狙いがある。防衛省関係者が明らかにした。
岩手、宮城、福島県などの被災地では、交通機関やライフラインへの被害が甚大で、生活必需品の不足も深刻化している。このため日本政府は、物資や被災者の輸送を少しでも円滑に進めるため、仙台空港の速やかな復旧が必要と判断。米国からの支援の申し出を受け、協議を進めていた。
また、これに伴い、飛行機の離着陸ができる山形空港(山形県)を、米軍の活動に必要な物資や機材を一時的に蓄える「後方補給センター」として活用する。15日夕までに山形県知事が米軍の使用許可要請を受け入れた。
一方、海外からのレスキューチームは15日現在、15の国・地域と1国際機関から計約800人に上る。救援活動にあたっているが、福島原発の放射能漏れについてフランスなどは情勢変化を気にかけているといい、「今後の状況次第で退避する可能性はある」(外務省関係者)という。【坂口裕彦、西岡省二】
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